校長の夏休み ②
- 2014/08/21
- 11:29


それではいよいよ3日目のチャレンジです。このコースは北アルプスでも難コースの一つとされ、一つ間違えば何百メートルも滑落する大変危険な箇所が次々と現れます。300Mほどのアップダウンはありますが、標高差よりも登りと下りのくり返しから来る難しさ、何よりもキレ落ちる崖への恐怖心が最大の敵でした。
早朝、南小屋のある尾根を境に雲が無くなっていきます。そして雲の切れ間から朝日が現れました。神の存在を認めなければ説明できない神秘的な風景です。 視界が悪く、岩も濡れている状況でしたが出発を決意しました。昨日お友達になった男性の一人が15分ほど前にスタートしています。300mほど先を歩いているその男性を目標にルートに迷うことなく進むことが出来ました。途中何度か前後に手を振り、もう一人の男性を含め互いの安全と健闘を確認しました。7枚目の写真はたどったコースを振り返り眺めています。写真が小さいので分かりませんが、槍ヶ岳の穂先まではっきり見えました。そして5座目となった北穂高岳3,106M直下にある小屋です。ここで前を歩いていた男性にお礼とお別れを告げ、涸沢岳3,110M登頂後、穂高岳山荘に到着しました。ここまで約8時間です。無理をせず慎重に行動しました。疲れもありましたが、アドレナリンが大噴出だったのでしょうね、ただ無心に前へと進むことが出来ました。何か心がとても澄んでいたように思います。そして人との出会いに励まされ支えられていたことも大きな後押しとなったのでしょうね。人が困難に立ち向かうとき支えてくれる人がいる! これだけで人生は幸せです・・・・・そんな思いにもなりました。日々の生活の中でも、幸せは足下にいっぱい転がっているのではないでしょうか・・・
ここで決断です。時間は午後2時! 奥穂高岳まで行くか? それとも穂高岳山荘で温かい飲み物でも飲んでゆったりするか・・・・思案約10分!・・・結論は奥穂高岳挑戦と涸沢小屋まで下ることとしました。 ここで仕事のこと考え無理をすることとなりました。小屋までの行動は「気合い」だけでした。












4日目です。この日は帰るだけということで、遅めの起床となりました。 この小屋で知り合いになった家族も同じコースを踏破していました。なんと10歳の男の子もいました。 驚きと共に多少ショックもありましたが、その家族が凄かったのでしょうね。聞くと家族共々ハワイで生活しており、夏休みの帰省で日本に帰ってきたいうことでした。両親が田舎に帰る前に是非北アルプスを経験させようとチャレンジしたそうです。素晴らしい! 高校3年生の兄と楽しくトランプをしていましたが全てネイティブイングリッシュでした。
深夜1時頃に起き出し、星空を楽しみましたが、雲一つ無い素晴らしい世界が広がっていました。朝も4日間で一番天気が良かったです。昨日登った奥穂高岳や穂高岳山荘もはっきり見えました。
帰りはテント場をとおり上高地に向け、ほぼランニングに近いスピードで下りました。途中、高校生のグループ3組と出会いました。挨拶・マナーは最高でした。きっと合宿なのでしょう? 高校生の時期に貴重な体験をしていますね! 感心するばかりです。 さて無事に上高地カッパ橋へ到着です。






日常とは違う世界で時を過ごし、物事を見る角度も立ち位置も変わった4日間を過ごして新しい自分が見えてきたように思います。変化の激しい現代社会なればこそ、日常とは異なった角度から自らの人生や感性、意志などを真剣に考える機会を出来る限り持たねばならないと強く意識しました。
園生諸君も神出学園での体験学習はもちろんのこと、様々なチャレンジを通して俯瞰的に自己を見つめ、違った角度から、異なる色眼鏡をとうして物事を捉えてみて下さい。 きっと日常の何でもない出来事や風景が新しい世界として飛び込んでくるのではないでしょうか・・・・・
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